耳に切れ込みが入った野良猫を見たことはありません?
実は、それは生まれ持ってのモノじゃないんです。
野良猫には地域ネコとして周りの人たちに愛されている子達も多くいます。その中に去勢手術や避妊手術をしている猫もいます。そのお話です。

野良猫の去勢手術

猫は外で生活することはとても大変で、その中で子育てするには劣悪な環境の場所も多くあります。そのような場所で生まれた子猫は病気になりやすかったり保健所に連れていかれたりして、かわいそうな生をおくらなければいけません。そうした猫たちを少しでも減らすために保護活動などが行われています。その保護活動の一つに去勢手術があります。

野良猫を捕まえて手術を行い、また同じ場所に戻すことが多いですがその際には手術したかどうかわからないと意味がありません。手術をした猫としていない猫を判断する基準が「さくらねこ」というものであり、これは耳カットしてあるかどうかで判断することになります。

「さくらねこ」と「耳カット」

耳カットといっても大きく切るわけではなく、耳の先端をV字にカットして桜の花びらのような形にします。V字にカットすることにより桜の花びらのようになるため、去勢や避妊手術をした猫は「さくらねこ」と呼ばれています。

耳をカットすると痛い?

耳をカットするため痛そうに見えますが、手術の際に全身麻酔をしたときに一緒に行っているので切るときの痛みはありません。麻酔が切れた後も猫は痛みに鈍いため気づきにくいといわれています。切っているためそこからバイ菌が入りそうで心配ですが、手術の際には抗生剤も投与されています。抗生剤も注射タイプで2週間持続するものもあり、傷口が化膿したりするのを防ぐことが可能です。それにより手術後にまた元居た場所に戻しても、安心することができます。

「さくらねこ」として目印があることにより、間違って再び手術されることを防ぐことができ、余計な負担をかけずに済みます。全身麻酔はとても負担が大きいものなので、耳カットは猫のためにも必要なことです。このような理由から「さくらねこ」と呼ばれるものがいるので、しっかりと理解しておくことが重要になります。

まとめ

本当に可愛らしい「さくらねこ」ですが、背景には日本におけるペット問題があります。
2015年度の年間殺処分数は犬・猫合計は約8.2万頭(犬16000頭、猫67000頭)と言われています。圧倒的に猫が多いです。過去10年間の推移で見ると行政と民間団体の協力があって殺処分数は1/3以下に減少しています。

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osamu
一見、耳カットは可哀想な感じがしますが、殺処分されることを考えると必要なことなのでしょう。